残すべき遺産とは
木を伐ること山を刈り払うこと
杉山を増やすこと
絶対にしたくなかったことだ
現在なんの因果か森林組合のアルバイトをしている
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何もできずに何もしないのであれば何かしたほうがいいだろう
そんなときに私にはたいてい一番したくない仕事が舞い込んでくる
ナタと手鋸と造林鎌をもって刈払われた木を寄せる。過酷な環境ではあるがめっぽう簡単な仕事だ
山というクリアな環境で仕事が出来る
あまり深く考えなかった
そこには断る理由はなかった
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はじめて人工造林の現場に入った
見る人によってはビックリするほど残酷な光景が広がる。
豊かな恩恵を与え続けてきた在来の木々をすべてなぎ払い切り倒し
その後で杉だけを植える
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杉はペレットストーブや建材として重宝される
生産性を考えれば杉と言うのは手っ取り早くて確実だ
いまのお金の向きであれば
雑木と呼ばれる種々の木々はお金に換算される機会が少なく、その上大変だ
ただ、誰でも使えるし誰でも生活に活かせる素材である。
そこには現在の貨幣価値を当てはめることは困難だ
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価値とはなにか
作業にあたっている人も気がついていた
こんなところに杉なんて植えないで雑木を生かしたほうがよっぽど価値がある と
価値とお金は違う
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いいものはいい
そんな当たり前のことが表現できないこと
それが一番の問題だ
田舎の良さ
山の良さ
木の良さ
価値を見出している人は増えてきているように思う
その価値にはまだお金が伴わない
だからその価値をなかったことにする
悪循環だ
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お金は楽しくて楽な方に動く
何も出来ない
そう思っていたから何も出来なかった
山へ
そんな流れが強くきている
山の価値なんてものは誰が見ても一目瞭然だ
それを伝えるだけだ
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水 空気 食べ物 土 …
未来へ残せるもの
生命として生きるために必要なのは
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